「傘」の文字にある4つの“人”の意味を、生地を織る、骨を組む、加工する、手元を仕上げる、この工程を受け持つ匠の数と考え、洗練された美しさと機能性を兼ね備えた前原光榮商店の傘。全ての匠の融合を重んじたものづくり、傘つくりに励む。時代にあった上質素材と昔ながらの技術が守られ、受け継がれていく。
傘を持つことは、装うことである
“傘かしげ”この言葉は、江戸時代に人々が互いを尊重しつつ、気持ちよく生活するために生み出した庶民の知恵「江戸しぐさ」のひとつ。狭い路地で人とすれ違うとき、傘がぶつかってお互いが濡れないよう、外側に傘を軽く傾けることをいう。なんとも粋でステキな所作だ。傘の扱い方ひとつにも、人となりは表れるもの。さりげない心遣いを感じさせる大人のマナーを身につけるにふさわしい「前原光栄商店」の傘が藤巻百貨店に登場する。「傘は実用一辺倒ではなく、装うものだということを忘れてはいけない」。(前原氏)この言葉通り、傘のフォルムの美しさは格別だ。
職人の心遣いと技に支えられた傘
皇室御用達の傘ブランドとしても歴史のある前原光栄商店の傘は、差した時のバランスまで考え抜かれている。和紙と砂で磨きをかけ、焼きを入れて硬く仕上げた中棒は樫の木を使用し、程よい軽さと心地よいほどスムーズな開閉感がある。タッセルの布には黒いシルクの綾織りを使用。はじきと呼ばれる金具の部分は、柔らかく錆びない燐青銅を使い、すべて手作りで仕上げている。差すだけで、コーディネートの一部にもワンポイントにもなる。バランス感があり、スーツと好相性だ。職人の心遣いと技に支えられた傘は、使い込むほどに愛着がわく大人の逸品なのだ。
手作りから生まれる
フォルムの美しさ
今回紹介する紳士向けの傘は2タイプ。16本の傘骨の長傘と折りたたみ傘で、柄は無地をご用意。どちらも傘と同色のカバーも付く。どれもおしゃれにこだわる大人の男性が身につけるのにふさわしい。手作りされたパーツはメンテナンスも充実し、長く愛用することをおすすめしたい。常に傍らにおき、日々をともに過ごすアイテムこそ、厳選、洗練されたホンモノを持ってほしい。手にとればそのフォルムの美しさ、上品なデザインに感動を覚えるはずだ。傘の所作を身に付け、ワンランクアップな大人のアイテムを知るきっかけになるはずだ。
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