【シーブレーン】はなもっこ　置時計　月

日本古来の素材と伝統の職人技が光る置時計。温もりがありつつ、シンプルで美しいデザインが豊かな時を刻む

■温もりを感じる置時計が“特別な日常”を作る

金沢で漆や金箔、和紙、岩絵具といった日本の伝統素材を使用した腕時計を作り続けてきたシーブレーン。シンプルなデザインの中にこだわりの詰まったブランド「はなもっこ」に、月をモチーフにした美しい置時計が登場した。部屋に置いておけば、手仕事ゆえの温かみと、ゆったり穏やかな時間の流れを感じられる逸品だ。

■漆器、和紙、金箔…地元の伝統素材を取り入れて製作

木地を手がけるのは1500年代から加賀市で生産されている山中漆器の伝統工芸士。和紙は金沢市二俣町で手漉きされたものを用いている。また、金沢の名産である金箔を塗るなど、石川県や金沢ならではの素材を多用しているのが「はなもっこ」の特徴の一つ。それぞれの素材の歴史や物語に想いを馳せれば、刻まれる1分1分が、よりかけがえのない時間となるだろう。

■伝統工芸士の手による、天然の木目が美しい時計の本体

置時計の本体を製作しているのは、漆器の産地として400年以上の歴史を持つ石川県加賀市山中温泉の木地師、久津見龍也氏（伝統工芸士）。回転する木に刃を当てて形作る「ろくろ挽き」により、お椀のように一個一個、成形している。時計を手に取ると、手作りだからこその独特な曲線や温もり、木目の美しさなどを実感できるはずだ。

■加賀藩御用紙と文化遺産の金箔を用いた極上のフレーム

文字盤には献上紙漉き場として加賀藩の庇護を受けてきた金沢市二俣町の和紙を貼り、その上に岩絵具を塗り重ねる。岩絵具を塗った後、金箔やプラチナ箔で月のモチーフとインデックス（時間を示す点）を付けていく。

金箔は縁付金箔という、昔ながらの手法で作られたものを使用。国宝の修復にも用いられる金箔で、2020年にはその伝統的な手法がユネスコ無形文化遺産にも登録された。あえて少し表面をかすれさせることで、ギラギラしすぎない、落ち着いた上品な印象に仕上げている。
インデックスは下地が金箔の部分には焼群青を、下地が焼群青の部分には金箔を貼る。かくして、天然の焼群青に金箔という最高級の伝統素材を大胆に組み合わせた、オブジェのような置時計が完成した。

■1400年を経ても褪せない岩絵具の美しい色をあなたの手に

岩絵具は飛鳥時代から使われている、主に鉱石を砕いて粉状にした画材のこと。今回使用したのは、アズライトという鉱物を砕いて作った「天然群青」に熱を加えて少し色をくすませた「焼群青」だ（写真は天然群青）。

群青は歴史的に見ても特別な色で、江戸時代には純金よりも高い価格で取り引きされていた。当時は障壁画に用いること自体がステイタスで、権力者はたくさん使うことで格の違いを見せつけたという。

■昔ながらの技術と素材が日常に融け込み、暮らしがより豊かに

私たちは普段、基本的に伝統工芸とは無縁の生活をしている。そんな日常に「自然な形で伝統の素材・技法を融け込ませるきっかけになったら」時計のデザイナーで、日本画家でもある牛島孝氏はそう語る。確かに、目の前にある時計に、1400年前に描かれた絵画と同じ絵具が使われていると思うと、悠久の時を感じずにはいられない。また、そういったアイテムが身近にあれば、気持ちにゆとりが出て心豊かな日々を過ごすことができそうだ。

■記念日の思い出に、大切なあの人へのギフトに

時計部分は乾電池を使用して動くタイプ。背面は革パーツで蓋をしているため、おしゃれなだけでなく、秒針のカチカチ音も吸収されて静かだ。

革カバーには有料で刻印できる。大切な日付と一緒に誕生日のメッセージや誕生した子どもの名前を入れるなど、想いを込めたギフトにぴったり 。結婚祝いや引っ越し祝いといった、新しい門出を祝うのにもオススメ。自分たちの記念のアイテムにも最適だし、大切な人への贈り物としても喜ばれること請け合いだ。

■暮らしを照らすに“月”に想いを馳せて

描かれているのは 満月に向けて満ちていく過程にある「上弦の月」。成長や吸収を意味する月でもあるので、発展を促すラッキーアイテム として取り入れるのもいいかもしれない。

インテリアとしてはもちろん、アートとして飾っておき、時折眺めるのも素敵な使い方だ。部屋をほのかに照らす月に想いを馳せつつ、温かく穏やかな自分時間、家族時間を楽しんではいかがだろうか。