【STORIO】名刺入れタテ型 コンパクト

■「初めまして」に曲げ木というインパクトを
デキるビジネスマンは、ネクタイやメガネ、名刺入れなど、身の回りのあらゆるアイテムに“会話のタネ”を潜ませている。インパクトのあるものや、ユーモアを効かせたもの、レアな逸品…いろいろあるが、やはり人は「見たことのないもの」につい目を留めてしまうもの。そこでオススメしたいのが、こちらの名刺入れである。つるりと滑らかなシルエット、実は一枚の木を曲げて作られているのだ。そこには、従来の木工雑貨に見られるようなクラフト感は一切ない。名刺よりひとまわりだけ大きいスマートなフォルムは、ジャケットの内ポケットにもすっぽり。持ってみると非常に軽く、高級家具のようなすべすべとした手触りには思わずうっとりしてしまう。フラップには本革を採用し、スーツに合わせても遜色なし。しかも、実は≪世界初≫のスゴイ技術で作られていると聞けば、男心がさらにくすぐられるのではないか。誰も見たことのない「曲げ木の名刺入れ」が、あなたの第一印象を変えてくれるかも！？

■ケースが自然と開く！？美と機能が共存した秀逸設計
薄い木の板をUの字に折り曲げたデザインは、見た目の美しさもさることながら、実は機能面でも大きな役割を果たしている。マグネット式のボタンをポンと外すと、なんと曲げ木のバネの力でケースの入り口が勝手に広がるではないか！「片手で簡単に開けられるため、名刺をスムーズに取り出せます。名刺交換という重要な局面でもたついてしまうこともありません」と語ってくれたのは、新潟で木材の加工や木製品の販売を行う「STORIO（ストーリオ）」の創業者であり、技術開発やデザインも手掛ける木村和久氏だ。カード前面の下部にだけに少し膨らみをつけているのは、出し入れする際に、留め具の出っ張りがポケットや鞄に引っかからないようにという配慮から。「僕が家電メーカーのエンジニア出身ということもあって、すべてのデザインには意味や目的があるという考えなんです。機能を突き詰めていった先にデザインがある」。すべてが機能に直結した隙のないデザインは、持っているだけでスマートな所作を演出してくれそうだ。

■新潟の木で作る「世界初」の曲げ木プロダクト
この造形を可能にしているのが、STORIOが独自開発した技術「AvanWood（アバンウッド）」である。きっかけは、知り合いの技術者から見せられた一片の試作品だった。木村氏は、薄い無垢材がぐにゃりと折れ曲がるその姿に一目惚れ。それまでの曲げ木技術は厚みと柔軟性に限界があり、椅子や家具は作れても、小物類の造形には不向きとされていたのだ。いざ試作を始めたが、「どんな木が適しているのか、どんな装置を作ればいいのか。本当にゼロからのスタートだった」と振り返る。「ある時、伐採した時期や場所によっても曲がり具合が変わってしまうことがわかった。それなら山に入って立木を選ぶところからやろうと、新潟の木を使うことにしたんです」。足掛け5年、試行錯誤を続けた木村氏が辿り着いたのは、奇しくも地元の素材だった。薪の需要がなくなり放置されていた里山から、曲げに適した木を山師が選定し、伐採師が切り倒す。この活動は、新潟の山の環境と山の仕事、両方を守ることにもつながっているという。

■軽い・強い・美しい。ビジネスシーンに木という癒しを
使用しているのは、硬くて粘りがあり耐久性に優れた木として知られるカエデ。そこへポリマー処理を施すことで、堅牢性をさらに高めている。また、商品の要ともいえる“バネ性”だが、こちらもなんと100万回以上の疲労試験をクリア。木工製品では珍しい「１年保証」がついているのも、強度への自信の表れだ。カラーは全４色。木のインパクトを演出するならナチュラルを、意外性で勝負するならブルーを選んでみても面白い。「木に染料を吸わせて着色しているので、トラ目や節などの表情豊かな杢目も楽しんでいただけます。」と木村氏。もちろん天然木なので、その全てが一点モノだ。また、ボタンは“木×革”の上質感を損なわないよう艶消しのブラックで仕上げるなど、細部にまでこだわりが。名刺は約30枚収納可能。木村氏いわく「名刺に何かを書き添えたり、メモを取る際にちょっとした下敷き代わりにもなりますよ」。胸ポケットからスマートに“木”を取り出す面白さ。「初対面が苦手」という人にもオススメしたい技ありツールである。