ずーっと使えるバッグをハンドメイド
知る人ぞ知るHIS-FACTORY、渾身のトートが新登場
■圧倒的存在感のトート、秘密は「極太の糸」
東京・墨田区の「HIS-FACTORY」の工房には、一台の大きなミシンが鎮座している。「ADLER」と名前が入ったこのドイツ製ミシンこそ、同ブランド代表の中野克彦氏が「自分の作るバッグには欠かせないもの」と漏らす道具だ。中野氏のバッグの一大特徴が、ハンドルやその付け根にガッシリと縫い付けられる極太の糸。他ではまず使われない「0番手」と呼ばれるその糸を、アイスピックの先のようなこちらも極太の針に通しカタカタと器用に動かしながら中野氏は縫い上げていく。「この太い糸を目立たせたバッグを作りたいと思ったのが僕の原点。でもこういうのってバッグ職人には『できないよ』って嫌がられるんですよ。だったら自分の手ですべて作ってやろうって」(中野氏)。「HIS-FACTORY」のバッグが醸し出す圧倒的な存在感、その理由のひとつ目はこの「糸の太さ」にある。
■「壊れにくいバッグを作る」がものづくりのマインド
「HIS-FACTORY」は、約30年に渡りバッグづくりに携わってきた中野氏によるバッグをはじめとしたレザーアイテムブランド。世の中で大量に生産される安価なバッグに疑問を持ち、「だったら、一切作りの妥協をしないバッグを自分が作る」と東京墨田区に立ち上げた。今でもほとんどの工程を自分の手で、パーツをひとつひとつ作りながら完成させ、無骨かつシンプルなたたずまいに多くのファンを抱えている。ハンドル部分でこだわるのは糸の太さに加えて、側面のコバにカンナをかけて削り、ヤスリをかけ、ひたすらに磨き上げていくこと。かなりの厚みがあるコバにしっとりとした光沢が出ると、神々しい雰囲気さえ宿る。これが二つ目の理由だ。三つ目は、ハンドルと本体をつなぐ部分。ここを相当ガッチリと作りこむことによって、長い間の使用に耐えうる堅牢なバッグとなる。万が一壊れてしまっても、直せるように作っている。
■プエブロとブッテーロ、二つの革が対峙する
たとえ修理のできるバッグだとしても、革がイマイチなら味気ない。直してまで使うものなら、長く使うことによって風合いを増す革でなくてはならない。そう考える中野氏がほれ込み、ブランド初期から使い続けているのが「プエブロ」と「ブッテーロ」の二つのイタリア産ベジタブルタンニングレザーだ。「プエブロのざらつき感と、ブッテーロのつるっとした感じはすごく相性がいい。このコンビが好きなんだよ」(中野氏)。プエブロは革の表面にあえて細かい傷をつけ起毛させているが、使い込むことで起毛感が落ち着き、色も濃くなりツヤが出てくる。ブッテーロは鮮やかな発色がオイルをたっぷり含んでおり、濡れたような光沢が出る経年変化が特徴だ。同色だが素材感の違いでエイジングの差を楽しむには、このコンビが一番。存在感の第4の理由がこれだ。
■「わかる人にはわかる」凄みがこのトートに
これらの革は財布などの小物に使われることは多いが、バッグ全体の素材に用いるのはまれ。惜しまずダイナミックに使ってしまうところに「HIS-FACTORY」らしさが表れている。このトート「ammassare(アンマサーレ)はタテ形状で取り回しやすく、肩にかけてみれば「しっくりくる」感じがわかってもらえることだろう。手に持てば、5枚重ねの革で分厚く肉盛りされたハンドルがガシッと握りやすく作られている。全体にはモノとしての存在感はありつつも、威圧感があるわけではなく、あくまでスタンダードな見え方。しかし、この凄さがわかる人にはわかる。そんなふうにツウに好まれるトートといえよう。A4がタテにすっぽり入るようにデザインしており、日常生活からビジネスまで使える容量があるので、登板する機会は多岐に渡りそうだ。男性に人気があるそうだが、ブランドライクなアイテムを好む女性にもおすすめしたい。メンテナンスをしながら一生をともに歩んでいけるバッグを、いまこそ手にして欲しい。
カラーバリエーション
デティール
ブッテーロレザーのハンドル
極太の糸が映える5枚重ね、10mm厚のハンドル
ガシッと握りやすいPCや水筒、傘などが
すっきりと収まる片側には3つのポケット
携帯など小物の整理にもう片側にはファスナーポケット
ノートや貴重品をここにカンナで削り、ヤスリをかけ
磨き抜かれた美しいコバ専用箱と布ケース付き
贈り物にもふさわしい
使用イメージ
アイテム詳細
仕様:内側/ファスナーポケット×1、オープンポケット×3
素材:本体/プエブロ(イタリアの名門タンナー、バダラッシー・カルロ社による植物タンニンなめし牛革)、ハンドル・取り付け金具部分の補強革/ブッテーロ(イタリア老舗タンナー、ワルピエ社によるトスカーナ植物タンニンなめし牛革)、内装/コットン、金具/真鍮ファスナー/YKKエクセラ
サイズ:W330 mm×H350 mm×D110mm、ハンドル立ち上がり220 mm
重量:1400g
生産国:日本
※劣化やカビなどを防ぐために、長期間お使いにならない場合は湿度に注意し定期的に風を通すなどのお手入れを行なって下さい。
※天然素材を最大限に活かした仕上げを行なっておりますことから、色落ち・血筋・ムラ等がみられる場合がございます。また、革そのままの風合いをご提供するため、表面がデリケートな状態で製作しておりますので、僅かな当り傷・押し跡等が発生する可能性もございます。いずれも使いこむうちに馴染んでまいりますが、予めご了承の程お願い申し上げます。