燕に伝わる驚異の職人技「鎚起銅器」
コーヒーをさらに楽しむための豆入れ
■ため息がでるほど美しい「鎚起」の肌合い
一枚の銅の板を叩いて、まさかこの形が完成するなんて想像できるだろうか? そんな造形の驚きと、青みがかった色合いが魅力の日用品が「鎚起銅器(ついきどうき)」。金属加工において世界にその名を轟かせる新潟県燕市に、240年前から脈々と伝えられてきた伝統技術を駆使して作り上げられる。今回の「コーヒーアイテム」を手掛けるのは、親子二代にわたり鎚起銅器の伝統と技術を受け継ぐ「島倉堂」の島倉政之氏。氏自身も愛用しているコーヒーポットと豆入れは置いてあるだけでも様になる。しかし、いざ使ってみれば実感できるはずだ。なんでもない毎日の中でちょっとした特別感を得るとは、こういうものを使う時間のことを指すのだということを。本当の「一級品」は、やはり何かが違うのだ。
■独自の道具と技術からは、一点モノしか生まれない
政之氏の父である島倉板美氏は鎚起銅器の雄として名高い「玉川堂」で15年の修業を積んだ後、退社。溶接業を営みつつ銅器を作るため準備に時間をかけ、その後「島倉堂」として開業した。銅板に焼きなましを加え、“鎚”で叩いて“起”こすことからその技術が名付けられたといういわれのとおり、工房にはカンコンと高い音が響き渡っている。設計図もなしに、経験と勘を頼りに作り上げてゆくその技術を習得するには最低でも10年の修行が必要と言われる。完璧なフォルムを追求することから鎚起の道具さえも手作り。特徴的な表面の細かな凹凸は、銅板を一回一回鎚で叩いた証であり、大量生産の工業製品にはない手作りの温かみがそこに感じられよう。
■一生かけて味わい尽くす、この「青」の変化
もう一つの特徴は、青みがかった本体の深い色合い。銅の地金とは異なるこの色は、製品の形を作った後、表面に錫を溶着させ青銅の合金層を作ってから、硫化液などの独自の溶液に浸し磨くことで生まれるものだという。そのときの気候など諸条件によって微妙に出る色に違いがあり、一点一点の個体差は手作りの賜物として味わい深い。そしてそれらは革製品のように、使い込むことで独特の「経年変化」をもたらし、古色を帯びた風格を備えていく。へこみや表面の色直しなど修理も可能なため、手入れをすれば文字どおり“一生モノ”として長い時間付き合っていけるのだ。
■世代を超えて伝えていきたい豆入れ
「毎日とはいきませんが、自分で豆を引いて、ハンドドリップで淹れるとやっぱりおいしく感じますよね」と、自らのアイテムを使ってコーヒーを味わう時間を楽しんでいる島倉氏。豆入れは、「茶筒」と兄弟のような形とつくりだが、決定的に異なるのは底の形だ。付属のコーヒースプーンで豆を取り出す際に、最後の一粒まですくえるように底のカーブとスプーンの形状を一致させているという。スプーンは外形に沿わせるように引っ掛けることができ、それらはどちらも使い手が気持ちよく使えるように気を配った結果。厳かで重厚、風格のある外見と、機能性とのギャップがたまらない。「コーヒーポット」と揃えて、鎚起銅器のセットとして子や孫に伝えていきたいアイテムだ。
ディティール
アイテム詳細
素材:銅
容量:約200g
サイズ:胴径10cm×胴高11cm
生産国:日本
※一点一点手作りで製作しているため、個体によってやや色や形が異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。
※初めてのご使用の前には、台所用中性洗剤で手洗いしてください。銅はやわらかい金属ですので、やさしく洗ってください。
※洗う際は、中性洗剤で手洗いしたあとよく水洗いし、特に外面をタオルなどで水気を取りながら拭き上げて乾燥させてください。
※本体内面の錫(スズ)は、水気を残したままにしておきますと、金属の性質上黒ずむことがありますが、人体には無害です。落としたい場合は、クレンザーをスポンジにつけて磨いてください。(あくまでも内面のみです)
※長期間の使用により、内面の錫引きが落ちてなくなりますが、そのままお使いいただいて人体にまったく影響はありません。安心してご使用ください。
(銅は体に必要な成分で、乳児用粉ミルクにも配合されています)
このアイテムのレビュー
みんなのおすすめ度
- ★
- ★
- ★
- ★
- ★
(星 5.00)
1人の方が「参考になった」と言っています
1人の方が「参考になった」と言っています
0人の方が「参考になった」と言っています
0人の方が「参考になった」と言っています
0人の方が「参考になった」と言っています
1人の方が「参考になった」と言っています
0人の方が「参考になった」と言っています
1人の方が「参考になった」と言っています
0人の方が「参考になった」と言っています
0人の方が「参考になった」と言っています