【乾レンズ】ボビンルーペ

■鯖江の技術の粋を集めた“おばあちゃんへの贈り物”
日本の眼鏡製造において90％以上の生産シェアを誇る・福井県鯖江市。1905年から始まった眼鏡づくりの技術はさまざまな先端分野・デザイン分野へ貢献し、今や世界最高水準と評されるまでに。そんな中、“100年かけて培った眼鏡技術で、鯖江に新しい息吹をもたらす商品を生み出す”ことを目的とした職人集団「鯖江ギフト組」が2009年に誕生。これまでにピアスや指輪などのファッション小物から、iPhoneケースなどの雑貨にいたるまで、メガネ作りの技術を応用した多彩なアイテムを開発してきた。今回ご紹介するのは鯖江ギフト組の長である、乾レンズが発案した指にはめるボビン・ルーペ。「おしゃれなルーペで世の中のおばあちゃんを笑顔にしたい」と開発時の想いを語るのは同社の諸井晴彦さん。鯖江の技術を駆使して試行錯誤を繰り返し、一度使うと二度と手放せない、高齢者の人たちの暮らしに華やぎを与える逸品がついに完成した。

■シニアルーペの印象を一新した、くるくる指に巻く斬新な発想
蝶の形をした「バタフライルーペ」や、女性の脚線美をモチーフにした「てんぷルーペ」など、従来のシニアルーペのイメージを払しょくする、個性豊かなルーペを商品化している乾レンズ。今回登場するのは、アオムシがチョウへと成長し、美しく羽ばたく様をモチーフにした、くるくると指に巻きつける仕様が愛らしいルーペ。「見るのは価格と賞味期限などだから、さっと取り出して使えるサイズが欲しい」という高齢者の声がきっかけに開発されたこのルーペは指先サイズ。大きくて運びにくいものが多かった従来のものに比べ、とても小ぶりだ。メガネフレームの原材料となる、カラフルで透明感のあるセルロースアセテートが素材本体に使われており、見た目の愛らしさとくるくる指に巻くという斬新な発想が、“老い”をイメージさせるシニアルーペの印象を “かわいい”に変えたのだ。

■見たいところにピントが合う、小さくてもこんなに見える
従来のシニアルーペは使いづらい、好みのデザインがない…。さまざまな理由で人前や出先で使いたくないと思っている高齢者は多い。そんな中、既存のルーペの不満な点を大幅に改善しているボビン・ルーペに注目が集まっている。使いにくく、老いを意識させる作りが印象的な従来のルーペだが、一方、ボビン・ルーペは指先に巻きつけることで対象までの距離が近くなり、レンズが小さくても文字は読みやすくなる。特に針に糸を通す時など、細かな作業をする時にはとっても重宝する。またレンズはピントが合いやすい低倍率の光学用非球面ガラスレンズを採用しており、視界が歪まず、長時間見ていても気分が悪くならないのが特長だ。実際使用している年配者からは、「見た目も華やかで、しかもパッと見たいところにピントが合う。小さくてもこんなに見える」とすこぶる評判もよい。

■一度使うと二度と手放せない、華やかで便利なルーペ
“一度使うと二度と手放せない”と評判のボビン・ルーペ。その理由は前述した使い勝手の良さ以外にもある。ひとつは、他と同じ色柄がないセルロースアセテートの美しい色合い。そして外出先や人前で出しても様になる、愛らしく個性的な形はまるで自分だけのアクセサリーのよう。指先に光る滑らかな輝きが、付ける人をしなやかで若々しい印象にしてくれそうだ。また付属の三角錐の天然木の台座にルーペ差し込めば、まるで一風変わったオブジェの装い。リビングに置いていても違和感がなく、さらににっこりマークの３種の「いたずらシール」をレンズ部分に張れば、「おばあちゃんこれかわいい！」と孫の声が聞こえてきそうだ。母の日は、おばあちゃんにいつまでも若々しくいて欲しいと願い、「最近の携帯や本は文字が小さいから読みにくいよね」と、老いを意識させない優しい一言を添えて贈りたい。