ビールに日本酒に活躍する細長いカタチ
ミニマルな美しさをたたえる技あり江戸切子
■お店でおなじみ、あの形のグラスを江戸切子で
縦にスッと立ち上がった姿の美しさに見惚れる江戸切子。こちらもともとは一口サイズのビールグラスとして作られたのだが、日本酒を飲むときのグラスとして人気が出たというおもしろい経歴を持っている。細長い形状で握りやすく、口元で傾ければするするとお酒が流れ込んできて、ぐいぐい飲んでたらいつの間にか空っぽに、なんてことが想像できる。居酒屋や料亭で使われるいわゆる小さな「ビールグラス」だが、江戸切子職人の手にかかればこんなにも華やかになるものか。使うならぜひ赤青のペアで、二人飲みを興じたい。
■二人の凄腕伝統工芸士を擁する江戸切子工房
「彩鳳(さいほう)」の名で江戸切子を生み出すのは、埼玉県草加市で活動するミツワ硝子工芸。1970年代から製作を開始、下請けとして黒子役を果たしつつ、平成の時代になってから自社のブランドを展開し始めた。現在ではその美しさと手仕事の確かさで江戸切子ファンの間で人気を確立している。ミツワ硝子工芸には約10名ほどの江戸切子職人が在籍しているが、その中でチームを牽引するリーダーとして活躍するのが、石塚春樹氏(写真右)と細小路圭氏(写真左)。両名とも伝統工芸士であり、作品の受賞歴も多数。特に、毎年春に行われる「江戸切子新作展」では並みいる名人たちに引けをとらない作品で大きな賞を獲得し、業界でも一目置かれている。その作品に価格を付ければ、数十万円になるというから驚きだ。主にこの二人がデザインを考え、作品制作で培ったアイデアや技術を普段のアイテムにも注ぎ込み、独自の江戸切子が世に放たれる。
■カットの美しさを、見てから飲むか、飲んでから見るか
四角い升目のカットに、さらに斜めにカットを入れた「菱鱗重(かさね)文様」を上部に連ね、ここだけ色被(ぎ)せを残す。その下を「かまぼこ」というアールに削る刃で面をカットし、流れるような太い線を周囲に入れて無色透明に。底に再び色被せが少しだけ現れ、菊の文様を映し出す。眺めていくとこのような視線の縦移動があり、お酒を飲みながらつい見入ってしまう江戸切子のおもしろさが堪能できるのがこのグラス。デザインした石塚氏によれば、江戸切子は通常「親骨」と呼ばれるメインとなる目を引くデザインを施して、それを軸に周りに細かなカットを入れていくのだが、こちらはその親骨をなくすことで同じ図案が連なるようにしたという。ひたすら等間隔に同じデザインが続き、ミニマルな美しさを秘めたグラスと言える。
■マスを使った「あの」飲み方も可。ペアグラスの贈り物にも
使い方は、まずはビールグラスとして。これにはぜひ瓶ビール、それも大瓶や中瓶にご登場願い、注いでは飲みを繰り返していく昔ながらの晩酌を楽しみたい。スタイルはちょっと古くても、この江戸切子で飲むととても新鮮な気持ちになり、心なしかいつものビールがよりおいしく感じられるかも? そして日本酒。ぐい飲みがまどろっこしい御仁はビール同様に瓶から注ぎ「コップ酒」の言葉がふさわしい使い方を。それから、この形であればマスに入れてこぼす「もっきり」と呼ばれる飲み方も可能だ。自宅でこれができるのはちょっとした特別感がある。さらに写真を見ていただければわかるように、濡れて光が乱反射した「ひとくちグラス」は息を飲むほどに美しく、これをカメラに収めたい方もいるのでは。赤青のペアでプレゼントに使うのも喜ばれるので、新婚や銀婚式・金婚式など、夫婦の節目のタイミングに選んでみては。
カラーバリエーション
使用イメージ
アイテム詳細
素材:ソーダガラス
サイズ:Φ55mm×H102mm
容量:110ml
重量:約115g
日本製
※2023年9月販売分より、一部デザインを変更いたしました。
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