伝統芸能演目「勧進帳」の
弁慶格子柄をモチーフにした名刺入れ
■京都の職人が思いを込めた弁慶格子柄の名刺入れ
ポップなカラーながら、チェック柄がどこかトラッドな印象の名刺入れ。こちらのアイテムを作っているのは、古典芸能の衣裳制作を手掛ける京都「宇野商店」だ。「西の織り、東の染め」と言われる伝統芸能の衣裳。初代が西陣織のお膝元である京都で、当時盛んだった時代劇の映画や伝統芸能の衣裳を手がけたのがはじまりだという。他にも、義太夫の肩衣、祭りや節分の裃や、より高度な技が求められる文楽の衣裳を日本で唯一手掛ける会社でもある。古典芸能の衣裳製作に用いる伝統技法は、織物、染、刺繍、縫製など多岐にわたる。代表の宇野滋記さんは「より多くの人に芸能や伝統技術の素晴らしさに触れてほしい」と語る。その思いから、舞台衣裳で培った技術、デザインを活かしたアイテムを数々生み出している。
■市川宗家の十八番「勧進帳」の翁格子をモチーフに
“伝統芸能とチェック”というと、芸能ファンの人ならお気づきかもしれない。このチェックは、ただのチェックにあらず。名門、市川宗家の十八番「勧進帳」で使われる衣装の格子柄がモチーフになった、正真正銘の和柄なのだ。格子柄には東西の別にかかわらず由来やいわれがある。例えばタータンチェックはその家古来のいわば“家紋”のようなもの。ギンガムチェックはマレー語の「ストライプ」が語源だとか、フランスの地名「ガンガン」からという説も。こちらは「翁格子」といい、源義経を守る武蔵坊弁慶の衣裳柄だ。その由来は諸説あるが、太い線に細い線がいくつも交わる様子が、翁が大勢の孫を持っていることを意味する、一家繁栄を象徴した縁起の良い柄。仕様を変えることが許されないという芸能の舞台衣裳にあって、江戸の昔から続く伝統柄なのだ。
■その仕事ぶりが京の技! 伝統を支えるこだわり
「伝統柄を使って私どもが作るアイテムだからこそ…と、色柄を再現するためこだわりました」と宇野さん。伝統芸能の衣裳の多くは絹に染付けをしているが、それでは強度がもたない。しかし、強度を重視すると格子の風合いがうまくでない…。試行錯誤の末、目の細かい11号帆布にインクジェットで染める方法でやっと染め職人も納得するものができた。技術的に作るのが難しいとされる斜めに着いたがま口も、同じ京都の職人仕事。「伝統芸能の衣裳は多くの職人さんとともに作っていますが、この名刺入れも同じ。たくさんの職人さんの技と知恵をお借りして作っています」と、ご自身の名刺入れを見せてくれた。外側はもちろん、縁のシワも一切ない。きっちり閉まるがま口の仕様も無駄がなく、なるほど、その丁寧な仕事ぶりがうかがえる。
■名刺に、小物入れに。愛着が湧く作りと使い勝手
がま口を閉めると、パチンと小気味のいい音がする。中布は黄色とピンクが目に鮮やかだ。口が大きく開いて一目で中身が見えるから物が取り出しやすく、コンパクトに見えるが一般的な名刺なら50枚たっぷり入る。カジュアルな席で使う「第二の名刺入れ」として使えば、その柄の由来に初めての方との会話が弾みそう。また、名刺入れ以外にも使い方はいろいろ。ショップカード入れにしたり、薬やアクセサリーなど細々したものをすっきりと持ち運べる。江戸の昔、流行の最先端は伝統芸能役者たちが身に着けていた衣裳にあったという。それが庶民の流行になり、今では伝統とされる普遍的な柄へ。どこか愛着を感じるのは、長く人々に愛されてきた所以なのかもしれない。こんな小さな「文化と伝統」を持ち歩くとは、なんと粋なのだろう。
カラー
アイテム詳細
素材:綿100%(表地)、ナイロン100%(裏地)
サイズ:縦約72mm、横約115mm
重量:約35g
製造国:日本
梱包:緩衝材で梱包して、袋に入れてお届けします。
※丸洗いはできません。汚れがついた場合白い消しゴムやブラシなどで水を使わずに落としてください。
※生地をせん断して製作しているため、柄の配置などが商品写真とは一致しない場合がございます。
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