「基板はアート」と据えるmoecoが開発
電池無しでLEDが光る驚きのiPhoneケース
■「回路が地図」のケースに、「光る」仕様が仲間入り
2014年、機械を制御する「プリント基板」の技術をそのままに地図や路線図を描いたiPhoneケース「moeco(モエコ)」が登場。そのアイデア、そして何より基板の美しさで瞬く間に多くの人々を魅了し、ファンを増やしてきた。そして「部品が光ればもっといいのに」という周囲の声の高まりから、ついに完成させたのが「FLASHシリーズ」だ。強い電波を発した際に、iPhone本体の電波を増幅させて電流に変えることで、電源なしでLEDランプが点灯することを可能にした。「FLASH 東京回路線図iPhone ケース」は、経済産業省のクールジャパンプロジェクト「The Wonder 500」に認定されるなど、その評価はとどまることを知らない。
■不可能を可能にした不屈の「実験精神」
moecoを生み出した株式会社電子技販は、主に産業機械や駅の行先表示など社会インフラ設備の制御基板を製作販売している大阪・江坂のBtoB企業。代表取締役の北山寛樹氏が「基板に萌えている」と語ったことが発端で、基板で雑貨を作るmoecoブランドが立ち上がった。伝えたいのは「基板は芸術である」という想い。機械を制御する部品に過ぎない基板が、なぜこんなにも美しいのか。規則性のあるパターンに幼いころから基板に魅了されてきた北山氏は自社の強み(Core competence)を生かした製品を世に問いたいと思うようになったという。今回の「FLASH」はアイデアはあったものの、研究機関や開発会社に相談するも「電池なしで光らせることは不可能」といわれていたという。基板メーカーのプライドと実験精神によって、北山氏はそれを実現させてしまった。
■基板をアートにするものづくりの技術
moecoはもちろん、本物の基板と同じ工程を踏んで作られている。CADで回路をデザインする設計工程、基板製造工程、配線パターンを形成するエッチング工程、金メッキ処理・シルク印刷を経て電子部品を実装、最後にクリーンルームにて樹脂コーティングを施す。細かないくつもの工程を経てめくるめく地図や路線図の世界を作り出すのだ。さらに「FLASH」には高密度基板に使われる「貫通樹脂埋め」という技術を使い、デザインを壊すことなく光らせる流れを生み出しているという。またその精緻なデザインは、いかにしてiPhoneケースに収めるか、本物の地図のように表現するには何が必要かなど、回路を決めるだけでも3ヶ月もの時間を費やすほど。moecoの「基板アート」に魅せられた人々によりオリジナルアイテムの声も多く、鉄道や映画などとコラボレーションをしてきた。北山氏の独特の感覚に、いまようやく世間が追いついてきたのだ。
■「何それ!?」と声が上がる、誰も見たことないiPhoneケース
地図や路線図にはマニアが多く、一日中見ていても飽きない人もいるほど。それをiPhoneケースに落とし込み、さらには機械部品のメーカーが独自のアイデアで生み出したという、日本の技術力とアイデアがうまく結合したストーリーを持つmoeco。マニアではなくとも、その計算された回路が細かく走る表情に思わず見とれてしまう。ピカっと光る「FLASH」は、どこか生き物が胎動しているような趣もあり、愛着が感じられるアイテムだ。表面の樹脂コーティングや縁の黒いマットケースは、手触りもよくなじんでくれる。周囲の人が気付けば「それ光ってない!?」と言われること間違いなし。“他人とちょっと違うものが好き”という方にはぜひおすすめの、エッジの利いたiPhoneケースなのだ。
カラーバリエーション
東京回路線図
NY回路線図
ディテール
イメージ画像
アイテム詳細
素材:プリント基板(ガラスエポキシ、金)、電子部品、はんだ(錫、銅、銀)、ケース(ポリカーボネート)
サイズ:138mm×69mm×10mm
製造国:日本
重量:35g