「本藍染」と「泥染」、異なる染めの表情を楽しみたい
1718年創業の京都老舗扇子店がおくる夏の涼
■愛され続ける「白竹堂」の京扇子
古くより日本文化の中で愛されてきた扇子。現在、数ある製造工程を国内産の原料とメイドインジャパンで行うところは少ない。扇子文化の啓蒙活動を続ける白竹堂はその数少ない扇子専門店のひとつだ。享保三年(1718年)、「金屋孫兵衛」の屋号で西本願寺前に寺院用の扇子店を開業。一般用、贈答用の京扇子を製造販売するようになったことがきっかけとなり、近代日本画壇の富岡鉄斎氏より「白竹堂」の堂号を頂く歴史ある老舗だ。雅な京扇子からレースや刺繍を施したモダンなデザイン扇子まで、多様なデザインを取り揃えている白竹堂。今回、藤巻百貨店で紹介するのは、同社でも人気の京扇子だ。京扇子とは、京都扇子団扇商工協同組合が有する地域団体商標。扇面、扇骨、仕上げ加工など、すべての工程は京都を中心に行われている。
■88の工程に凝縮された職人の手技
扇子が出来上がるまでには、骨作りから地紙づくり、絵付け、組み立てなど約88の工程がある。しかもそのほとんどが手作業で、熟練の技を要するもの。白竹堂では、それぞれの職人が分業で作業を行っている。昨今、節電対策のエコグッズとしても注目を集めている扇子。“伝統に新しい風を取り込んだ輝きのあるものづくり”を目指し、若い世代でも気軽に持つ事ができるカジュアルなものや、ビジネススタイルにも合うスタイリッシュなデザインなど、個々の仕様に合わせた扇子の使い方を提案する白竹堂。古来より扇子は縁起のいいものとされ、実用面で“涼をとる”だけでなく、末広がりという意味を持つ。開けばその柄、色合い、香り、デザインを楽しむことができるのも扇子の魅力だ。
■古き良き伝統の「本藍染」を持ち歩く
「本藍染セット(ぼかし染)」は扇面に広がる、表情ゆたかな藍のグラデーションが魅力。藍染の名産地である徳島・阿波の地で、藍の葉から作る「すくも」と灰汁(あく)の発酵液を使って染められた生地を使用している。昔ながらの本藍染の技法で生みだされた深みのある色合いが、透けるほど薄い綿麻の布地と相まっていかにも涼感を誘う。「むら雲染セット」は、筒状に縫った綿の生地を大きな筒にシワやヒダができるよう被せ、同じく徳島の地で染めを施している。ブルーの藍染は、さながら夏でも冷ややかな水しぶきを上げる滝や、川の清流の風情。泥染の茶色はいかにもシブく、大人の男の魅力を引き立てる枯れた趣を感じさせる。染め上がりによって一点一点異なる表情を「自分だけの扇子」として愛でるのも、自然素材で手染めする生地扇子の醍醐味だ。
■「上質」を知る紳士にこそふさわしい京扇子
両セット共、優美な曲線状に削った扇骨で組まれており、親骨のつややかな黒塗りが高級感を添える。竹素材の中でも硬い外側を使っているため加工は熟練の技を要するが、丈夫でしなやか、程よい重量感が手にしっくりと感じられる。扇面を縁取る和紙は、あおぐ際に服と擦れて扇子が痛むのを防ぐための老舗の心遣いだ。上質なつくりの京扇子は、プライベートはもちろん、通勤や営業回りで暑さにさらされるビジネスマンにもおすすめ。セットの扇子袋に入れて持ち歩き、夏の暑い日にさっと取り出せば、その風雅な趣に出会った人との話題も弾みそうだ。オンオフで別のデザインのものを使い分けたり、小物の色と合わせたりと、ファッションアイテムとしてコーディネートする楽しみも。実用性と日本の伝統美を兼ね備えた、奥深い京扇子の世界。ぜひ足を踏み入れてみてはいかがだろうか。
カラーバリエーション
※「むら雲染セット(藍染)」は再入荷予定がございません。あらかじめご了承ください。
ディティール
1.組紐ストラップアクセサリの有無
2.仲骨、親骨の形状
3.生地の透け感
※セットごとに仕様の違いがございます。下記のアイテム詳細もご確認ください。
使用イメージ
アイテム詳細
製造国:日本(すべて国産材料使用)
■本藍染セット(ぼかし染)
扇面:綿麻/扇骨:竹(親骨は黒塗骨、仲骨は黒染骨仕様)
付属品:扇子袋、桐箱
扇子サイズ:縦23cm×横42cm×奥行き1.5cm / 重量30g
桐箱サイズ:縦27.5cm×横12.5cm×高さ2.5cm / 重量150g(扇子収納時)
■むら雲染セット(藍染/泥染)
扇面:綿/扇骨:竹(親骨は黒塗骨、仲骨は黒染骨仕様)/京組紐ストラップアクセサリ付き
付属品:扇子袋、桐箱
扇子サイズ:縦21.5cm×横39.5cm×奥行き1.5cm / 重量40g
桐箱サイズ:縦27.5cm×横12.5cm×高さ2.5cm / 重量160g(扇子収納時)
※職人の手作りにて作成しているため商品の入荷・発送にお時間を要することがございます。
※1点づつ手作りのため、上記サイズ・重量はおおよその目安としてください。
使用上のご注意
※扇子は広げた状態で長時間放置しますと、開き癖がつき閉じにくくなる場合がございます。
水分、湿気、衝撃等から扇子を保護する為にも、使用時以外は扇子袋にお入れ下さい。
※扇子は天然素材を使用している為、扇骨、扇面の色落ちにより他のものを汚す恐れがあります。
※扇骨の破損でのけがなどには充分ご注意下さい。
このアイテムのレビュー
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